ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 「大ヤコブ」
大ヤコブはガリラヤの漁夫でヨハネの兄弟にあたります。少し髭をはやした中年の男として描かれる事が多い人物です。ヨハネと共にゼベダイという人物の息子です。ペテロ、ヨハネと共にキリストに最も近しい人物でした。オリーブ山での祈りの場面にも、ペテロ、ヨハネと共にキリストに同行します。ヤコブは使徒の中に二人いますが、弟子入りの早かったゼベダイの子の方を大ヤコブと呼びます。「雷の子」と呼ばれるくらいに激しい性格の人でした。大ヤコブはエルサレムにおいてヘロデ・アグリッパの裁きにより処刑されました。
大ヤコブのアトリビュートは
●帆立貝の貝殻
●剣
●巡礼杖
です。巡礼者の姿で描かれる事が多い人物です。巡礼の格好はこの絵にあるように、つばの広い帽子にマントを着て巡礼杖を持ち、肩に合財袋か瓢箪をさげています。そして貝殻をマントなどにつけて描かれます。彼が埋葬されていると言われるスペインのサンティアゴ・デ・コンポステラへの巡礼者は、この貝殻をつける慣わしがあります。大ヤコブはヘルモゲネスという名の魔術師と力を試し合い、これを改宗させて洗礼を授けました。