ジョット 「ユダの接吻」
有名な裏切り者のユダです。タダイと区別するためにもイスカリオテのユダと言われます。ユダは銀貨30枚でキリストをユダヤの大祭司長と長老たちに売り渡しました。一般に髭をはやした黒髪の中年の男として描かれます。これもまた有名な「最後の晩餐」の時にユダが裏切る事を予言されていました。
ユダのアトリビュートは
●財布
●鳩
●悪魔
です。ユダは十二使徒の会計を務めたことや賄賂を受け取った事に由来します。耳元に神の御言葉を伝える鳩が描かれる場合と悪魔がサタンの言葉をささやく場合があります。
この絵のシーンは「キリストの逮捕」や「ユダの接吻」などと言われるシーンです。使徒の小ヤコブがキリストと非常に似ているた、え、捕らえるべき人物が誰であるかを示すためにユダはキリストに接吻します。愛を示すためにあるべき行為が愛に反する行為として象徴的に描かれます。ヨハネの福音書のみ、接吻のシーンは言及されず、キリストは自ら名乗り出て逮捕されます。
この時、画面左側の人物が手を伸ばし、兵士の一人の耳を切り落としている様子が描かれています。この人物がペテロであり、耳を切り落とされた兵士はマルコという人物です。キリストの逮捕のシーンではこの事件についても一緒に描かれます。
ユダはキリストを裏切った事を後悔し、大祭司長達に銀貨を引き取るように求めました。しかし拒まれたため神殿に銀貨を投げ込みます。
ユダの最期は使徒言行録でペテロが言及しています。
「ところで、このユダは不正を働いて得た報酬で土地を買ったのですが、その地面にまっさかさまに落ちて、体が真ん中から裂け、はらわたがみな出てしまいました。」
新約聖書 使徒言行録 1:18
ユダは首を吊って自殺しました。