ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 「聖アンデレ」
アンデレはペテロの兄弟でガリラヤの漁夫です。彼は南ロシアのスキュテイア、小アジア、ギリシアの各地に伝道旅行をし、説教をするかたわら多くの治療行為を行いました。アンデレは長い髭の老人として描かれるのが一般的でした。アンデレは洗礼者ヨハネの弟子でしたが、ヨハネがキリストを見つけて「見よ、神の子羊だ」と言ったためにキリストに同行しました。その後アンデレが兄弟のペトロを誘い、ペテロもキリストに同行します。
彼は、まず自分の兄弟シモンに会って、「わたしたちはメシアに出会った」と言った。そして、シモンをイエスのところに連れて行った。
ヨハネによる福音書 1:41
アンデレのアトリビュートは
●X字型十字架
です。この絵でも左上にうっすらとX字型の十字架が見えています。キリストの磔刑で使われた一般的な形の十字架はラテン型と言われます。アンデレはペロポネソス地方にあるパトラス市のローマ総督アイゲアテスによって処刑されました。総督の妻マクシミラは、使徒のおかげで不治の病から回復しました。それを機にキリスト教を改宗します。アンデレのすすめでマクシミラは総督に対してその夫としての権利を二度と認めないようになりました。それに怒った総督はアンデレを磔刑にしました。