PAINTWEB 絵画鑑賞・美術鑑賞術

PAINTWEBは深い絵画・美術鑑賞をするために欠かせないイコノロジー、イコノグラフィー(図像学、図像解釈学)等を紹介しています。

イコノロジー(図像学) 初めてのイコノグラフィー(図像学)

5.参考書籍の紹介

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紹介した図像解釈を書くために参考にした文献を紹介します。他に図像学関係の書籍も紹介します。アフィリエイトを始めました。amazonさんを利用して購入することもできるようになったのでぜひご利用下さい。右端の欄はランダムで図像学関係の書籍を表示します。商品が正しく表示されない場合はリロードして頂くと表示されます。

●「イコノグラフィー入門」 ブリュッケ

代表的なイコノグラフィー入門書の一つです。当サイトもフェルメールの「天秤を持つ女」の解釈について本書を参考にしました。後半はICONCLASSというネット公開されている世界的な図像データベースの使い方の解説をしています。イコノグラフィー研究を始める足がかりとして良い一冊です。内容も比較的読みやすくなっています。チェーザレ・リーパに始まるイコノグラフィー研究の歴史も知る事ができます。後半のICONCLASSの使い方についてはそこまで本格的に研究しようと思っている人以外にはあまり意味がないかもしれません。

●「イコノロジー研究」 筑摩書房

エルヴィン・パノフスキーという人物の有名な著作です。代表的なイコノロジー研究者であり、文庫版でも出ているのでお手頃な価格で買う事ができます。立ち読みだけでまだ全ては読んでいません。

●「まなざしのレッスン」 東京大学出版会

一番オススメの一冊です。パリスの審判の解釈を参考にしました。わかりやすく内容も充実した文献です。取り上げている範囲は幅広く、神話画や宗教画などから静物画などまで、この一冊でかなり多くの図像解釈を学ぶことができます。図版も多く、役に立つ一冊だと思います。

●「絵画を読む-イコノロジー入門」 NHK出版

NHKで放送されていた番組の内容を改めて本にまとめた物です。文庫本で持ち運びが楽だし値段も手頃です。大きく分けて12点の作品についての解説がありますが、その名の通り入門書としては充分なイコノロジーに関する知識が得られます。

●「西洋絵画の主題物語 1聖書編 2神話編」 美術出版社

西洋の絵画には文中で語ったように、文献から取材した作品がたくさんあります。その典拠となっている作品として特に多いのが聖書とギリシャ神話ですが、この本は聖書と神話の内容を豊富な図版付きで簡潔にまとめてあります。この2冊を読めば絵画の主題の多くを理解できるようになるのでとても役立ちます。神話編では後半は神話に限らず、よく使われた主題の解説もあります。絵画鑑賞をするならまずこの本で主題についての理解を深めておくと、どんな絵画を見ても主題から理解する事ができるようになります。

●「名画を読み解くアトリビュート」 淡交社

たくさんあるアトリビュートに焦点を当てて取り上げている文献です。当サイトではアトリビュートと擬人像に関しての多くを参考にしています。冒頭は絵画の読み方についての解説があり、後半はアトリビュートとなる物を58点解説しています。私がイコノグラフィーにはまったのもこの本がきっかけでした。他の本は紹介する量は豊富なのですが、飽きっぽい方はまずこの本から読み始めると良いかもしれません。他の本とは違い、先に物があるというのがユニークです。

●「西洋美術解読事典」 河出書房新社

絵画の主題やアトリビュートについてまとめた事典です。特定の絵画について知りたい時、自分で調べるのにはとても役立ちます。辞書のように主題の名前で調べるとその物語の解説が出てきます。例えば「パリスの審判」で調べるとパリスが3人の女神を選ぶに至る経緯などを知る事ができます。当サイトでは十二使徒についての解説の際に参考にしました。他の本では既に解釈した結果しか知る事ができませんが、この事典を利用することで自力で解説のない未知の絵画を読む事ができます。十二使徒の絵画もまとまった解説をした本はなかったのですが、この事典のおかげで十二使徒全ての図像解釈を紹介することができました。値段は少々高いですが、絵画を読む事にはまった方にとっては損のない買い物になると思います。







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